入れ歯はどこで作っても同じでしょうか?型取りをして、技工士がその通りに作ればぴったりあうのでしょうか? いえいえ、それは違います。入れ歯はただ作ってお口に入れる、というだけでは、どうしてもしっくりこないのです。入れ歯を作ってから、使い心地が悪く、入れていない方も少なくありません。
たとえば、新しい靴をお求めになったとき、しばらくは靴に慣れない、合わないという感覚がありますよね。それでも、何回か履くことでだんだんなじんできます。入れ歯もそれと同じで、ある程度フィットした入れ歯をお作りしても、初めのうちは多少の違和感はあるものです。しかし、細かいところまで丁寧に作っている入れ歯であれば、すぐに馴染んで快適に使えるはずです。
つまり、入れ歯が合わない理由の一つは、作ってからあまり使用していないからです。外出するときだけ、見た目が気になるときだけ使うという方も少なくありません。きちんと作られた入れ歯でも、お口に馴染んでいない場合があります。
また、使っていくうちに、だんだん合わなくなることもよくあります。入れ歯を支えている歯茎は、何度も咀嚼することで、形が変わってくることがあります。入れ歯を長く使用していると、特に下の歯茎(土手)が減ってくることも多いです。それに合わせて入れ歯の調整をしていないと、歯茎と入れ歯がずれてしまうのです。
入れ歯が合わないと、食べにくいのはもちろん、人前で食事をしているときにずれてしまったり、食べこぼしの原因になったりしてしまいます。また、食べるときだけでなく、発音も悪くなってしまい、「人と話がしたくない」と落ち込んでしまう人もいます。